たとえば好きな人がいるとして、デートがしたいとします。このとき、
「デートしてください」
というのか、
「驚くほどうまいパスタの店があるのだけど、行かない?」
と言うのかで、このデートの成功率がグンと違うのが、なんとなくわかりませんか?
この本は、言葉を伝える仕事であるコピーライターの筆者が、「伝え方の技術」、「感動的な言葉の作り方」など、これまで膨大な時間をかけて練り出した方法論を整理した一冊です。
✔︎この本がオススメの人
- 人の心に届く言葉の伝え方を知りたい人
- ビジネスや人生で成功したい人
- 今日からできる言葉の技術を知りたい人
伝え方にも技術がある
学校で国語の授業があっても、言葉の伝え方を学ぶための授業はありませんでした。
だれも教えてくれないけど、伝え方って確かにすごく重要ですよね。人生の重要なシーンで、伝え方一つで結果が変わってくるようなこともよくあると思います。
私の体験の直近のものでいったら、就職活動とか。自分の言いたいことがうまく伝えられないな、と言う経験を私もしました。
そもそも、伝え方って鍛えられるの?と思うのですが、筆者は自信をもって、言葉の伝え方は鍛えられると述べています。
ノーをイエスに変える技術
普段会話をしている中で、頭に浮かんだ言葉を少し考え直してから相手に伝えることってありますよね。
言葉は、自分で考えて「つくる」ことができるんです。
例えばお願いごとをする場面で、相手の「ノー」を「イエス」に変える言葉の使い方があるなら知りたくないですか?
具体的な方法として、
- 自分の頭の中をそのまま言葉にしない
- 相手の頭の中を想像する
- 相手のメリットと一致するお願いをつくる
という3つのステップが挙げられています。
この3ステップで言葉をつくると今まで「ノー」と言われていたものの多くが「イエス」に変わります。すごく簡単な方法なので、私も早速意識的に使ってみたいと思いました。
さらに、「相手の頭の中を想像する」ときに、とっておきの7つの切り口があります。
- 相手の好きなこと
- 嫌いなこと回避
- 選択の自由
- 認められたい欲
- あなた限定
- チームワーク化
- 感謝
この7つの切り口をマスターすれば完璧です。
とにかく、相手のことを感がていることが伝わるような言葉を自分でつくる意識が大切ですね。
強い言葉のつくり方
感動する言葉に出会ったことってありませんか。
私は、今までたくさんの言葉に励まされ感動してきました。
そんな感動するような「強い」言葉も、つくることができるのです。
世の中の情報量が増えているからこそ、感動する言葉ってすごく重要ですよね。ただ誰にでもかける言葉を書いていると、あっという間に情報の波に流されていってしまうだけです。
では、記憶に残る強い言葉とは何でしょう。
筆者は本書の中で、強い言葉を「人の感情を動かすエネルギーのある言葉」としています。
強い言葉を作るための5つの技術がまとめられていました。
- サプライズ法
- ギャップ法
- 赤裸々法
- リピート法
- クライマックス法
まず、サプライズ法は簡単です。伝えることがに驚きワードを作る方法です。例えば、「そうだ、京都行こう。」というキャッチコピー。「そうだ。」というサプライズ法が使われています。
ギャップ法も使いやすい方法です。
「嫌いになりたいのに、あなたが好き。」
と言われると、ただ「好き」と言われるより言葉にエネルギーがのっているのがわかります。
赤裸々法は、言葉に体温を感じさせ、ときに詩人のようなニュアンスをつくりだすことができる方法です。
例えば、「上を向いて歩こう。涙がこぼれ落ちないように。」という歌詞。
共感してしまいますよね。心にグッとくる感じがあります。
リピート法はそのなの通り。言葉を繰り返すことで相手の記憶にする込み、感情をのせる方法です。
歌によくあります。例えば、「さいた さいた チューリップの花が〜」など。繰り返すことで記憶に定着するわけです。
クライマックス法は、寝ている人も目を冷ます強烈なメッセージ技術です。
例えば、「ここだけの話ですが、〜」、「これだけは覚えておいて欲しいのですが、〜」など、話し始める前にクライマックスワードがくることを予測させるのです。
集中が切れた相手の集中スイッチを入れるときに役立ちます。
まとめ・感想
このように、言葉は技術を知っていればだれでもつくれるということがわかりました。
毎日使っている言葉に対しての意識が変わり、使い方が変われば、日々の生活が変わるのは簡単にわかります。
今ままで自分が発する言葉についてあまり考える機会もありませんでしたし、ノーをイエスに変える言葉や強い言葉をつくる技術があるとも考えたことがありませんでした。
この本は、ただ読んだだけでは意味がないと思います。
毎日1つの言葉だけでもこの本に書いてあったことを意識して自分で言葉をつくる練習をしていきたいと感じました。
そんな、参考書のような一冊でした。
自分を言葉で表現するのが苦手という人はもちろん、言葉の技術なんて本当にあるんかい!と思う人や、今より少しでも状況をよくしたいと思っている人にもオススメです。
参考にしてみてくださいね。