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電子国家エストニアでe-Estonia Showroomに行ってきた感想まとめ

最近、電子国家として日本でも話題になっているエストニア。

ビジネスでは通話サービスの先駆けとも言える「Skype」を輩出した国でもあります。

せっかくエストニアにきたのだから、歴史的建造物を見るだけでなく、今この国はどうなっているのかを知ろうと思い、「e-Estonia Showroom」に行ってきました。

実際に見学に行った時のことについてまとめます。

e-Estonia Showroomとは

「e-Estonia Showroom」とは、エストニア政府が電子国家の取り組みを世界にPRする一環として設置したショールームで、海外からの視察に対応するプログラムを用意している施設です。

ショールームのツアーは1時間ほどで、ウェブサイトから簡単に申し込むことができ、だれでも見学に行くことができます。

私は正直あまり電子国家の仕組みやITについて詳しくなかったのですが、一緒にエストニアを訪れた人のススメで行くことになりました。

ショールームの場所は、エストニアの首都タリンの最も有名な観光地である旧市街から電車で10分ほど行ったところにあります。

e-Estonia Showroomに行ってきた!

青色を基調にした建物で、e-Estoniaと書かれていました。タリンの旧市街地と同じ国なのかと思うくらい近代的な雰囲気です。

エストニアの電子国家事情をレクチャー

まずは1時間ほど講義のような形で、エストニアの現在の電子国家事情がどうなっているのかという説明を英語でうけます。

エストニアのIT教育

エストニアでは、子供からお年寄りまで誰もがインターネットを使いこなせるように90年代からインターネットの使い方に関する教育を進めてきたとのことです。

子供のIT教育については、政府が主導でプログラミングやロボット教育に力を入れているほか、すでに85%の学校がe-Schoolと呼ばれるインターネット教育の仕組みを導入しており、2020年までにすべてをデジタル教材に移行予定とのことです。

エンジニアはやはり子供達の中でも人気の職業だと聞きました。

お年寄り向けに自治体が無償でパソコンの操作方法を教える講座などもやっているそうです。教育ひとつとって見ても日本とはかけはなれていますね。

国民全員が持つ電子ID

 「インターネットへのアクセスは基本的人権」だと言われているエストニアでは、国民全員が電子IDを持つのは当たり前の出来事なのです。いまだデジタル化されていないのは、結婚と離婚、そして不動産の売却の手続きだけらしいです。

ただ、これを日本でやるとなると相当難しいのではないかと思いました。

これは、エストニア国民が全員持っている電子IDカードをパソコンに挿入して、個人情報がどのように表示されるか実際に見せてもらった時の画面です。

過去の学業成績や医療情報、住んでいる場所など、自分自身に関する情報が全てインターネットで見られるようになっています。見やすい画面で、無駄な情報もなく、わかりやすく個人の情報がまとめられていると感じました。

エストニアの現状

エストニアは人口が少ない小国ではありますが、人々が国内に幅広く点在しており、そんな中国民に平等な行政サービスを提供することが、e-Estoniaを進める大きな理由だったと言います。

そして、ロシアからの独立後、人口が少ない中で単純な労働力で経済を回復させることは難しいため、ITを活用した頭脳的な産業を育成することを定めたそうです。

また、エストニアは非常に行政の情報公開が進んでおり、不透明なことがあれば、国もマスコミもとことん追求するのだそうです。
そして、e-Estoniaの仕組みは情報基本的に本人が了承したときに取りにいくことができ、たとえ警察がデータを照会していても、その記録はすべて本人が把握できるようになっているとのことです。
ちなみに医師による不正アクセスがあった場合は、一発で免許停止になるそうです。

確定申告や会社設立もネット上で行えるほか、電子カルテや病院のオンライン予約に電子処方箋など、先進的な取り組みが積極的に進められ、税金の還付も95%が電子上で自動的に算出されています。

ワイヤレスネットワークがすべての国土に行き渡り、国民の88.4%もの人が定期的にインターネットを使用しているそうです。

国を守るために手段としてITを利用してきたエストニア。この国の歴史がそうさせたんだということを強く感じました。

施設内見学

講義を聞いたあとは、実際に施設を見てまわることができます。

最先端の技術が詰まった施設内。ここでさらに、講義をしてくださった人に個人的に質問することもできるので、理解が深まると思います。

まとめ

ロシアの支配下にあったという歴史的背景から、仮に侵略などで国土がなくなったとしても国家として存在できるようにとデジタル化を推進してきたエストニア。

エストニアが目指すデジタル国家への道のりは壮大な社会実験でもあり、今後も目が離せません。

このショールーム、短時間ではありますがエストニアの電子政府の取り組みについて分かりやすく教えてもらえるおすすめの場所です。

エストニア、タリンに観光される際は、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

https://mona-log.com/about-estonia/

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