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書評 /『死ぬこと以外かすり傷』 箕輪厚介

堀江貴文の『多動力』や、佐藤航陽の『お金2.0』、落合陽一の『日本再興戦略』などなど名だたる本の編集を手がけて注目を集めている幻冬社の編集者、箕輪厚介の『死ぬこと以外かすり傷』を読みました。

さすが、世間を騒がせている編集者の方だけあって、すごく率直で力強い言葉が書籍の中に散りばめられていました

今回の記事では、私が個人的に好きだった言葉を引用しながら感じたことをまとめていきます。

第1章 予定調和を破壊せよ

言ってはいけないことを言ってしまえ

羊のように組織や会社に従順な生き方は、タチが悪いことに癖になる。この癖は、一度肌に染みついてしまうとなかなか治らない。(中略)3回自分に嘘を着いてしまったら、二度と戻ってこれなくなる。

組織や会社に従順な生き方が”癖になる”という表現にハッとされられました。

環境に染まっていき、自分が本当に思っていることを言えなくなると、戻ってくることがどれだけ難しいか。わかっているはずでも、大勢の中の1人でいる方が楽で自分の気持ちに嘘をついて働いている人って、案外多いのではないでしょうか。

自分の気持ちに正直に生きたいですね。

第2章 自分の手で金を稼げ

意識くらい高く持て

先進国にいることやお金があることが幸せだということではないのは百も承知だが、選択肢が多く自由であることは間違いない。(中略)外国があるということを知らなかった頃の日本人が外国に行きたいと思わなかったように。そこには情報不足がある。世界はこれだけ広く多様で、世の中には多くの仕事がある。しかし、それを手触り感を持って感じていなければ動くことはできない。やはり知っているということは、それだけで偉大なのだ。

ここの文章は、これまでたくさんの国を訪れて本当に感じたことでした。

”知っている”ということがどれだけ重要か、また、知れる状況にいるということがどれだけ恵まれている状況なのか、アフリカや東南アジアに行って痛いほどに感じました。

「知っている」と「知らない」の間にはとてつもなく深い溝があります

また、情報が溢れ、スマホでだれでも簡単に情報を取捨選択できる今、情報格差は日本人の中でも同様に存在します。

知っているということが必ず重要になってくる世の中だからこそ、

情報を浴び、知を獲得しろ。意識くらい、高く持て。

という言葉が刺さりました。

第3章 名前を売れ

恥をかけ、血を流せ

物が溢れる時代。もはや物を選ぶこと自体に疲れる。自分が信頼する人のオススメを選ぶようになるのは時代の必然だ。インフルエンサーの力はどんどん強くなるに決まっている。

これは、なるほどと思った1節です。

物が溢れ、情報が溢れている今、何がよくて何が悪いのか、自分で判断するのはとても難しいです。

客観的に物事を見て判断するよりも、自分の好きな人や尊敬する人が大切にしている物事をそのまま大切にするって、考えてみれば当たり前の現象ですよね。

自分は何者で、何がやりたくて、今何をしているか。自分という者が激しく問われる。そこに共感が生まれればフォロワーは増えて行き、ビジネスにおいても熱烈な支持者になる。

そしてここに繋がるのだと思いました。

自分は何者で、何がやりたいかを突き詰めて、それを言語化していくこと。それがこれからの時代を生きるのにいかに重要なことかがわかります。

自分は何者かを考えずに周りに合わせて生きるのは楽だけど、それだけじゃ本当に巻き込みたい人を巻き込んでいくことはできないですよね。

風呂敷を広げろ

もはや人はお金では動かない。夢を見させられる言葉と実行力、そして何より本人が楽しそうにしていることが大切だ。

自分がいかに人に対して自分をさらけ出せるか。夢を語れる人になって、そこに共感してくれる人がどれだけいるのか。

夢を語れる人は、どんなお金持ち寄りも幸せだと思います。夢を語る人の周りにはその夢に共感した人が集まってくるわけだから、ワクワクを提供する「風呂敷広げ人」になればいいのです。

教祖になれ

これからのビジネスはほとんどが宗教化していくと思っている。信者を集めることができなくてモノを売ることなどできない。

少しぞっとするような書き方ですが、なるほど、と思いました。

その背景は、人が孤独になったことと、物質的に満たされたことの2つ。

人はスマホという小宇宙によって自分が好きなものしか見ないようになり、その結果好みや生き方が凄まじい勢いで細分化されました。人は多様になり、孤独になったのです。

好きなものを語り合い、同じ想いを共有する場所がなくなった人は、同じ趣味や価値観を持つ人と距離を超えて関わるようになりました。

これがオンラインサロンの価値であり、また、ビジネスも同じように思想を売るようになると言います。

人は物質的に満たされた今、「自分が意味を感じることを、好きな人たちと、ただ没頭すること」に幸福を感じるのです。

第4章 手を動かせ

今やれよ!

自分で手を動かして物を作って、人々のリアルな反応を見て一喜一憂しながら、成長していくのが一番手っ取り早い。つまり、いい組織とはチャンスが多く得られる組織だ。

何事も行動して自分で失敗と成功を繰り返していくことが一番大切だということを改めて感じた部分です。

そして、チャンスが多く得られる環境に意識的に身をおくことなら、すぐにでもできると思います。即行動につきますね。

スピードスピードスピード!

スピードは熱を生み、量は質を生む。by週刊文春編集長 新谷学

量量量!

ピカソはなんで天才か分かるか?多作だからだ。by秋元康

量だけは裏切らない。だれよりも動け。

この言葉を忘れずに、日々努力していかなくては。

何か1つでトップになれ

多動力の本質は、あれこれ手を出すことではない。まず何か1つで突き抜けるということだ。なにか1つのジャンルで日本のトップになるから、横展開が可能になるのだ。

結局、1つのことを突き詰めずにつまみ食いしても、単なる器用貧乏で終わってしまう。

この言葉は私自身にかなり響いた言葉でした。軸足を定めて限界まで突き詰めることから始めたいと思います。

第5章 癒着せよ

目的だけをにらみつけろ

媚を千回売っても信頼は生まれない。衝突、もめ事上等で、ただ目的地だけをにらんで走り抜けろ。

ビジネスは、友達ごっことは違う。結果と結果、力と力で向き合うしかない。とも書いてあるように、とにかく目的を見据えて結果に向かって走り抜けることが最重要ということを感じました。

ビジネスだけに限らず、過程が大切と言って逃げず、まずは目的意識をはっきりと持って結果にこだわることも大事ですよね。

第6章 熱狂せよ

数字から逃げるな

自分が好きなことをやるために、自分が好きな本を作るために、わがままで自由でいるために数字と戦わなければならない。

当たり前のことですが、好きなことをして生きるにはそれに相当するお金が必要。

そして、そこからは逃げてはいけない。つまり、結果にこだわらなければならない、ということを再認識しました。

数字から逃げずに。でも、熱狂する心は忘れない。これが肝心です!

努力は夢中に勝てない

今まではお金を稼ぐのが上手な人が豊かであったが、これからは夢中になれるものを見つけている人が豊かになる。儲からなくても夢中な何かがある人は幸福で、お金はあっても何をしたらいいか分からない人は苦しくなる。

稼ぐために働くという生き方が減ってくるということは、労働の時間が減り、お金の価値が下がり、逆にやりがいや生きがいの価値が上がっていく時代です。

そんな時代だからこそ、目の前のことにどれだけ夢中になれるか、熱狂できるか、それが鍵になってくるわけです。

どれほど義務感から一生懸命に仕事をしても、夢中になって寝ることも忘れて没頭している人には勝つことはできません。だからこそ、自分んが夢中になれるかどうか、ワクワクできるかどうかを行動基準にすることが大切になってきます。

おわりに バカになって飛べ!

あなたがやりたくないことはあなたがやめても実は誰も困らないことだ。明日から何事もなかったかのように世界は続いていく。しかし、あなたが心のそこからやりたいと願うことは、あなたにしかできない素晴らしいことだ。明日からの世界を帰る可能性がある。

心の底からやりたいと願うことをやりたいことをとことんやる!!!

自分のワクワクに正直に生きようと思わせてくれた、そんな一冊でした。あと一歩前に進みたい人にオススメです。

 

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